このコラムが更新される時、イギリスではちょうどプラチナ・ジュビリーの真っ只中であります。プラチナ・ジュビリーとはエリザベス女王の在位70周年のお祝いで、これは英国君主として初めてのこと。何しろ女王は25歳で即位し、御年96歳。世界最長の在位期間をお祝いしてイギリス各地で盛大な祝賀行事が行われます。英国王室好きとしては、ぜひともロンドンに行きたかったのですが、このウクライナ情勢で航空券は高騰。さすがに往復40万円は厳しいです。
先日、これに先駆けて『エリザベス 女王陛下の微笑み』というドキュメンタリー映画の試写会に行って来ました。監督は100回観ても100回胸がキュンキュンする映画『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。もうこれは私にとっては、大好きな「金兵衛」の銀鱈西京焼きと「めん亭はるもと」のチャーシューが同じ皿にのって出てきたみたいな感じです。そしてまた音楽も素晴らしい。使用楽曲のセンスの良さたるや!西京焼き、チャーシューに加えて「ノリエット」のピスターシュまでついてきたというところでしょうか。
私が初めて英国王室の存在を知るようになったのは、もちろんダイアナフィーバー。セント・ポール大聖堂の赤い絨毯にのびた長いベールは、まさにおとぎ話の御姫様。草野球に夢中だった小学生の私でさえ、胸がときめきました。しかし、それから徐々に明るみとなる愛憎劇。日本の皇室と同じような感覚で捉えていた私としては、王室の人間の離婚に心底驚いたことを憶えています。欧米は自由だなって。そしてダイアナの死。翌98年パリを訪れた際、彼女が事故に遭ったトンネルを通ると、車が激突したその柱にはペンキで赤いハートが描かれていました。
そして時が経ち、キャサリン妃とのロイヤルウェディングに再び胸をときめかせ、今では三人の子どもたちの写真をイギリスのサイトで検索しては、その成長に目を細めています。ちなみにメーガンさんは苦手です。友達になれないタイプだなと思います。常に笑顔でマウンティングしてきそうだし、こちらが何か気に食わなくことを言ったら「差別だ」と言われそうで怖い。
そんな英国王室大好きっ子の私、ロンドンに行けなくても何かプラチナ・ジュビリーの記念グッズは欲しい!ということで、老舗高級百貨店ハロッズのサイトを覗きました。バッグやエプロン、どれも可愛いくて悶絶。送料が3600円かかってしまうので同じくハロッズ好きの姉に声をかけ、一緒に購入して送料を折半という作戦なのですが、2人とも記念グッズ以外の商品にも心を奪われてなかなか何を買うのか決められません。ハロッズのサイトは見ているだけでとても楽しく、150万円のイブニングドレスをオンラインサイトで買う人なんているのか⁉と思うのですが、サウジアラビアあたりにはごろごろいるのでしょうね。4人まで奥さんが持てるサウジアラビア、どなたか枠空いていませんかー?そんなことを考えながらハロッズのカートにポチッ、削除、ポチッ、やっぱり削除を繰り返します。
最後までキャサリン妃愛用のAspinal of Londonのバッグを買おうかどうか迷いましたが、それは次にハロッズに行く日までお預けということで今回は記念グッズだけを購入。この梅雨は、そのバッグを持ってエリザベス女王のように高貴な佇まいで雨の東京を歩きたいと思います。
(西山繭子)
【この記事も読まれています】