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2022年07月29日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百八十九回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

私には中高大の10年間を共に過ごした仲間がいます。13歳の時に出逢ってから30年。それぞれ立派なおばさんになりましたが、今でも会えば心はティーンエージャー。ポケベル、ガングロ、ルーズソックスな青春時代にタイムスリップです。

 

この仲良しチーム、いまだに独身なのが私を含めて何と6人。このチーム編成が100人組であれば未婚の比率は6%ということになり、日本の40代未婚率20%を下回ります。しかし残念なことに、私たちは仲良し10人組。よって未婚率は60%。高い。あまりにも高すぎる。この6年間、この数値は横ばいです。

 

では未来の展望があるのかと聞かれれば、今年45を迎える私たち、この高い未婚率が下がるのはもはや死亡という理由しかないであろうと踏んでおりました。

 

それが何と驚くことに!先日、そのうちの1人が晴れて結婚したのです!そのため未婚率は50%に!いやー、本当に驚きました。だって45歳の未婚女性が結婚できるなんて、欧米人か芸能人(ただし売れっ子に限る)だけの話だと思っていましたから。いやー、縁ってあるものなんですね。

 

実は今回結婚したMちゃんとは、縁結びで有名な川越氷川神社に一緒に行っているのです。しかも3回も。8月8日の8時8分、縁結びの祈祷をしてもらうために全国から迷える子羊たちが集まります。私たちも朝5時に集合して行きました。3回も。それが今になって効いてきたということは、私も希望を持って良いということでしょうか。いや、でもMちゃんは可愛いくて良い子だからなあ。

 

そして何よりも私と決定的に違うところは、彼女はこれまで、結婚するためにきちんと努力をしていたということ。何の努力もしないで幸せだけを掴もうなんて、そうは問屋が卸さないということですね。「だってMちゃん、頑張ってたもん」焼鳥屋のカウンターでS子がしみじみと言いました。S子も結婚相談所やマッチングアプリなどで婚活をしているだけに、結婚までにいたる大変さが身に染みてわかっているのでしょう。「うん、いつも文句ばかり言ってたよね」私の言葉にS子が頷きます。

 

Mちゃんから聞く婚活奮闘記は、だいたい相手の男性に対する文句でした。「写真よりも頭髪が薄かった」「居酒屋でクーポンを使った」「靴が汚かった」端から聞いていても、これは難しいなと思っていたのですが、今回はあっという間に結婚に至ったそうです。

 

「私も頑張ってはいるんだけどね」そう言うS子に「努力してるんだから偉いよ。私なんて何もしてないくせに、いまだに恋したいとか思ってる夢子ちゃんなんだから」「恋ねえ…」新橋の焼鳥屋で同時に溜息をつくおばさんが2人。「最近、寝る前に思うのよ。もうキスとかしないまま死ぬんだろうなって」私がそうつぶやくと、S子が少し考えてから言いました。「人工呼吸だったらあるんじゃない?」「人工呼吸か…。人工呼吸って、舌入れていいんだっけ?」「たぶん、ダメだと思う。というか意識がないから無理だと思う」「そうだよね」客もまばらの静かな店内で、カウンターの向こうにいる店員のお兄さんは必死に聞こえないフリをしてくれていたのだと思います。

 

この後、S子が夢でイチローと最後までいってしまったという話を聞いて「もう!S子は昔から押しに弱いところがあるから!でも既婚者だよ?もう絶対にダメだからね!」とお説教をすると、S子も「うん。ごめんね。もうしない」と真剣に頷いていました。もはや何が現実かもわからなくなった私たち。結婚など夢のまた夢。今年も暑く寂しい夏になりそうです。

 

(西山繭子)

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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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