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西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百九十二回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

「その靴下、何て書いてあるの?」友人が、私が履いていた靴下を指さし尋ねました。「フェミニスト」「なぜフェミニスト?」「特に意味はないよ。友だちの香港土産」「あ、そう」普段から主義主張なくぼんやり生きている私の答えに、友人も納得の表情でした。

 

その靴下は文学研究者であるトミヤマユキコさんから数年前にいただきました。彼女はジェンダーやフェミニズムの観点から漫画を読み解くといった講義をしていたりと、私と違って頭の良い人。ただ、いつも奇妙な服飾品を好む傾向にあり、このお土産もフェミニストという概念云々ではなく「可愛い」からプレゼントしてくれただけでありましょう。

私も私で、フェミニストと書いてあることよりも、5年近くも同じ靴下を履いていることの方に感慨深くなりました。今の世の中、男女平等、ジェンダーレスの概念を持たない人間は時代遅れのバカみたいな風潮があって少々疲れます。

 

もちろん私だって、男女で賃金差があるのはおかしいと思うし、職場で「西山くん、お茶淹れて」なんて言われた日にはスリッパで頭を叩きかねない。でも「男女平等ですから」と重たい荷物を女性に運ばせるのも違うと思うのです。要は、人として当然の思いやりを持てということ。すごくシンプルなことなんですけどね。本来、そういった運動の根底には「自由」という概念があると思うのですが、主張をすればするほど自由度が奪われていくように感じます。心地良く生きられれば、私はそれで良いなあ。だって男女平等を訴えるならば食事に行った際も、割り勘が当然となるわけですよね? 細々と生活をする私からすると、それは少し困ってしまいます。

 

先日、友人の男性と食事に行った際、彼が財布を忘れるという不運に見舞われました。大汗をかいて平謝りをする彼に「あはは。大丈夫ですよ。私が」とカードを出したのですが、支払いはまさかの現金のみ。仕方なく近くのコンビニまで行ってATMでお金を引き出したのですが、銀行のキャッシュカードは月に1回ぐらいしか使わないので持ち歩いていないため、クレジットカードで手数料だの利息だのと無駄なお金を払うハメに。キャッシュレス時代の弊害ですな。というか、そもそもごちそうになることを前提として来ている自分の図々しさにも驚きですな。

 

そうこうして無事に支払いを済ませたのですが「本当に申し訳ないです。近いうちに埋め合わせさせて下さい」という彼の言葉に、これは作戦だったのでは?という疑念が一瞬頭をよぎりました。財布を忘れたフリをして支払いをさせて、次の約束を取り付けるという巧妙な作戦。まあ、この彼の場合は何年も前からの知人なので、そんなことはないのですが、作戦としてはアリだなと思いました。Grappsを読んでいる男性は、ぜひ使ってみて下さい。うまくいくかはわかりませんが。

 

(西山繭子)

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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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