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2022年09月23日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百九十三回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

いつも「それでも恋がしたいんだ!」を楽しみにしてくださっている全国で10人ぐらいの西山繭子ファンの皆様にお知らせがあります。2015年5月から始まったこのコラム、本当に突然ではありますが、今回が最終回となります。これまで幾度となく耳にしてきた「大人の事情」というモヤモヤした言葉を、まさか自分が使う日が来るとは思いもしませんでしたが、言わせていただきます。大人の事情です。悲しいなあ。200回まで、あともう少しだったのに。しかしもう決まったことですので、憂っていても仕方がありません。最後まで皆さんに楽しんでいただけるよう、心をこめて最終回を書こうと思います。

 

この連載がスタートした当時、私は37歳でした。江戸時代であれば寿命を迎える年齢ですが、その頃の私はまだまだ恋に対して貪欲。だからこそ恋愛をテーマにしたコラムを書いて欲しいとの依頼がきた時も、ダブル浅野よろしく髪をかきあげ、余裕の微笑みを浮かべたのでした。

 

しかしこの7年間のコラムをざっと読み返してみると、時間が経つにつれ恋愛とまったく関係ない内容が多くなっていました。これは年齢のせいもありましょうが、コロナという果てしなく大きな敵が現れたことが一番の原因。何しろ濃厚接触ができなくなってしまったのですから。だからもうずっとしていませんよ、恋の濃厚接触。

 

「もうやり方を忘れているんじゃないかと思う」と友人に話したところ「自転車と一緒だよ。大丈夫、大丈夫」と励まされました。そんなものだろうか。とはいえ、この7年間でいくつかの恋もしました。すべてが片想いに終わったというのは不徳の致すところでありますが、それでも恋をしている間、私はとても幸せでした。恋って本当にすごい。いつもと変わらない日常が、突如バラ色に染まるのですから。綺麗になりたいと思うからダイエットも頑張れるし、可愛らしくいたいと思うから洋服やコスメにも興味がわくし、賢くなりたいと思うから勉強もしちゃう。まさに良いことばかり。なんだかこんな風に書いているだけで、ウキウキしてきたわ。やはり恋は偉大です。

 

このコラムは、私にとって隔週で恋について考えるという良い時間でもありました。自分がこれまでの恋愛で幾度も同じ失敗を繰り返してきたこともよくわかりましたし。ただ、連載をする上で難点が一つありました。職業病と申しましょうか、皆さんに楽しんでいただけるコラムにするため、せっかく恋をしても自ら破滅の道を突き進む傾向にあった気がします。

 

以前エゴサーチをした際に、私と同年代の女性がこんなことを書いていました。「あんなに美人で面白い人でも恋に苦戦しているんだから、婚活って簡単じゃないんだなあ。私ももっと頑張らなきゃ」ここで一番重要なのは、もちろん冒頭の「あんなに美人で」なのですが、私のダメっぷりが彼女の心に少しでも響いていたのなら、作家冥利に尽きるなあと。もっともっと面白いことを書きたいなあと。そんな想いが、私を破滅の道に向かわせたのではないかと思っています。あれ?ということは、このコラムが終わったらその必要性はなくなるということ?西山繭子の恋、連載最終回を迎えてやっと始動です!

 

最後になりましたが、これまでこの連載を楽しんでくださった読者の皆様、本当にありがとうございました。皆様のこれからの幸せをお祈り申し上げ、お別れの言葉とさせていただきます。またどこかでお会いできるその日まで、みんなで幸せな恋をしましょう。

 

(西山繭子)

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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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