社内で出会ってダブル不倫をしているカップルは珍しくありません。相模ゴム工業株式会社の調査(※1)によると、配偶者または交際相手以外にセックスする相手がいる割合は15%で、出会いの場所で一番多いのが22%の「会社」だといいます。
会社は、恋人と出会える場所であると同時に、不倫相手・浮気相手と出会える場所でもあるようです。とくに、激務の会社の場合、四六時中一緒にいることになるため、恋愛感情・性愛の感情も芽生えやすいのでしょう。
しかし、社内ダブル不倫には、そのほかの不倫にはみられないようなリスクもります。Wさん(20代後半・編集プロダクション勤務)も社内ダブル不倫をしていましたが、不倫バレしたことによって、様々なものを失ったと言います。
今回は、そんなWさんの体験談をご紹介していきます。
家に帰れない日々。仮眠だけのつもりでホテルへ
私は小学校の頃から、小説家になるのが夢でした。大人になって、小説は無理かもしれないと気がついたとき、何か文章を書く仕事がしたいと思いました。就職活動では出版社を片っ端から受けましたが、全て落ちてしまいました。大学を卒業してしまい、無職のまま、これからどうなるんだろうと思っていたとき、中途採用を募集していた小さな編集プロダクションに拾ってもらうことができました。
仕事は面白かったです。学生の頃に読んでいた雑誌に自分が書いた記事がのっているのは、とても嬉しかったし、やりがいもありました。ただ、残業代もなく、給料も安く、ときには会社に泊まって仕事をしないといけないこともあって、体力的にはきつかったです。
同時期に入社したRのことは、最初はなんとも思っていなかったんです。私より2歳年上だけど、まだ大学生みたいにひょろっとして社会人感もなく、どっちかというとかわいい感じのRは、男として意識させるものがなく、一緒にいると楽だなーって感じでした。
そんなふたりの関係が変わったのは、会社に泊まりが続いたある日のこと、近くに安いホテルがあったので、「ちょっと仮眠に泊まりにいこっか」とRが言い出したのです。疲れていた私は大賛成。ふたりでホテルに行きました。そのときはRに対して下心なんてまったくなかったんです。
でも、一緒の布団に入ったら、なんだかくっつきたくなって、いつのまにか、一線を超えていました。
すぐに噂は広まり、会社にいづらくなった
それから、そのホテルはRとの定番スポットになりました。実際、私たちはデートなんてしたことなかったし、最初は体だけの関係だったんです。
でも、そのうち、夫よりも趣味が近く、仕事の話でもなんでも分かり合えるRの存在が私のなかで大きくなっていきました。もちろん、夫のことは大切でしたが、Rのことも必要だったんです。Rも、自分も同じ気持ちだと言ってくれました。
そんな関係が1年ほど続いたある日、社長から呼び出されました。「Rとのこと、噂になってるけど、本当?」と、まっすぐ目を見つめながら聞かれ、私は動揺を隠せませんでした。今思えば、否定しても良かったと思います。証拠はないんですから。でも、私は、真っ赤になって、言葉にならないことをもごもごと答えただけでした。
社長は、私を編集部から外し、営業部に行くようにと命じました。不倫によるペナルティのつもりでしょうか。Rに関しては、お咎めなしでした。納得できませんが、後から聞くところによると、Rは縁故採用で、取引先の大事なご子息だったそうです。
文章を書きたいがために入社した私が、営業なんて務まるはずもありませんでした。毎朝毎朝起きるのが辛く、会社に行くのが苦痛になっていきました。さらには、RとのLINEから、夫に不倫がバレてしまい、別居することにもなりました。
Rに別居のことを告げると、「大変だね」と他人行儀に言われてしまいました。「今はふたりで会うべきではないけど、落ち着いたらまたふたりで会おう」とRは言いましたが、私はいったいいつ「落ち着ける」のか、まったく未来が読めませんでした。
結局のところ、私は夫も、大好きな仕事も、ダブル不倫によって失ったのです。後悔だけが残っています。でもRは、なにひとつ失っていないのです。なんで私だけ? 悪いことをしたのは自分だとわかりながらも、不公平さに対する怒りが収まりません。同じことをしたのに。なんで…。あんなに好きだったRのことも、どこが好きだったのか、今となっては思い出せないほどです。
仕事も、家庭も、恋心も、すべて失うリスクがある。それが社内ダブル不倫
Wさんのように、ダブル不倫によって全てを失ってしまうリスクがあります。もし社内ダブル不倫をしようか迷っている方がいらっしゃったら、まずはリスクを認識しておくべきでしょう。
※1 相模ゴム工業株式会社
https://www.sagami-gomu.co.jp/project/nipponnosex2018/02_partner_sex.html