セックスのとき性器が痛くなった経験はありますか?性交痛の原因には、性病や婦人科系疾患、心理的要因などさまざまな可能性があります。病気が原因の場合、治療をしなければさらに症状を悪化させることもあります。性交痛は体からのSOSサイン。見過ごさないようにしてください。
性交痛とは性交時の痛み
性交痛を知っていますか。 名前くらいは聞いたことがある、という方は多いかもしれません。
性交痛というのは、性交前や性交中、そして性交後のいずれかのときに、性器に痛みを感じる症状のことをいいます。
痛みの程度には個人差があり、「痛みが酷くて性交(挿入)することができない」という人もいれば、 「性交時に軽い痛みを感じる程度で、性交後に痛みが残ることはない」という人もいます。
性交痛の原因
性交痛の原因は、痛みを感じる場所によって変わってきます。
◆ 膣の入り口が痛む
原因としては、膣や外陰部の炎症や傷などが考えられます。
女性器にウイルスや細菌などが感染すると炎症を起こし、おりものが増えたり、かゆみが発生したり、粘膜がただれたりします。 そのような状態に、ペニスの刺激が加わると性交痛を感じることがあるのです。
感染症の種類(クラミジアや淋病など)によっては、セックスで相手にうつしてしまう恐れがあります。 不安な場合は、セックスを控えてすぐに婦人科に行くようにしてください。
◆ 膣の奥が痛む
膣の入り口が痛む性交痛の場合と比べて、病気の可能性は高くなります。
原因として考えられる病気には、子宮筋腫や子宮内膜症、骨盤腹膜炎などがあります。 例えば、子宮内膜症の場合には、性交痛以外にも月経痛や排便痛などの症状もあります。 また、骨盤内腹膜炎の場合、性交時以外でも強い下腹痛や発熱があらわれることがあります。
このように、女性ならではの病気が性交痛の原因になっていることもあるのです。
心理的なことが原因になることも
さらに性交痛は、心理的なことが原因となって起こることもあります。
というのも女性は、性行為に関して「恐怖心」「不安感」「嫌悪感」などを抱えていると、膣潤滑液の分泌量が減少することがあります。 そのような状態でセックスをすると、痛みを感じやすくなり性交痛が起こることがあるのです。
また、ワギニスムス(無意識に膣の筋肉が強収縮を起こす)も、性交痛の原因となります。 ワギニスムスも心理的な原因で起こることが多くあります。
性交痛がある場合は婦人科を受診
では、性交痛がある場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
上でも書いたように、性交痛は何らかの病気が原因となって起こることが多い症状です。まずは、婦人科(産婦人科)を受診して、その原因を突き止めるようにしてください。その結果、何らかの病気が発覚した場合は、きちんと治療を受けることが大切です。
万が一性病に感染していた場合、今は症状として性交痛が出ているだけかもしれませんが、この先も適切な治療を受けないままでいると、 将来不妊症になったり、流産や早産のリスクが高くなったりする可能性があります。
また、性病以外の深刻な病気が原因になっていることもあります。
性交痛で病院を受診するのは、決して恥ずかしいことではありません。 もちろん婦人科の先生は、性交痛について相談されたからといって、変に思うことはありません。
性交痛という体からのSOSサインを見過ごしたり、我慢したりしないようにしてくださいね。
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出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]