

ある日突然、彼が射精したときに精液に血が混じっていたり、精液がピンク色をしていたという経験はありませんか? もしかしてそれは、血清液症という病気かもしれません。
血精液症の多くが精のうや前立腺での出血
血精液症とは、精液に何らかの原因で血が混じる病気のことです。 通常の精液の色は、乳白色です。そのため、血が混じっていることにびっくりして、慌てて病院を受診する人も少なくありません。
精液は、ほとんどが精のうと前立腺で作られ、残りの一部分が精巣や精巣上体、精菅で作られます。 そして、精液に血が混じっている場合のほとんどは、精のうや前立腺での出血が疑われます。
精のう
膀胱の裏側に付着した細長い5cmほどの臓器です。精子に活動エネルギーを与えて、 精液の成分となる精嚢液を分泌します。また、精子を貯蔵する器官でもあります。
前立腺
膀胱の出口と尿道の開閉をコントロールする尿道括約筋の間にあります。 精子に栄養を与える働きのある、前立腺液を分泌します。精液のほとんどは前立腺液です。
経過観察で治ることも
血精液症では、出血はしていても痛みなどの自覚症状がないことも珍しくありません。 詳しい検査を行っても、ウイルスや細菌や病気などが見られないことも多くあります。そういった場合は、治療をせずに経過観察することも多くあります。
血精液症、50歳以上の人は注意
血精液症には、原因がはっきりしない突発的なものと、感染によるものや悪性腫瘍などの病気によるものがあります。 しかしほとんどの場合、原因がわからない特発性血精液症であること多いようです。
特発性血精液症の場合、精のうや前立腺に炎症を起こしているか、うっ血している状態で特に心配はいりません。
ほかの原因としては、精のうや精巣などに腫瘍ができていたり、結石ができていることもあります。 また、血管がもろくなっていて射精したときの勢いで血管が破れて出血する場合もありますが、治療がいらないものがほとんどです。
ただし、1~2カ月様子を見ても治らないようなら、詳しく検査を受けたほうがよいでしょう。 特に50歳以上の人は、がんになりやすい年代でもあります。血精液症の原因が前立腺がんというケースもあります。 放置すると病気が進行するリスクもあります。念のために検査を受けておくようにしてください。
まとめ
このように、血精液症は何らかの原因で精子に血が混じる病気です。ほとんどが原因不明で自然に治ることが多いようです。 しかし、病気が隠れているケースもあるため、怖がらずに異変を感じたら検査を受けることをおすすめします。


出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]