

PMSとは月経前症候群のことで、生理前になると、頭痛や腹痛、イライラ、無気力などの症状があらわれます。PMSの症状や程度は人によってさまざまですが、その数は200種類以上とも言われています。今回は、PMSの症状や対処方法、似ている病気について詳しく解説します。
PMSの不快な症状を80%の女性が経験
生理前になると頭が痛くなったり、イライラしてしまうことはありませんか。 これらの不調が生理前にあらわれることを、月経前症候群(PMS)と言います。
PMSの症状は、排卵後からあらわれやすくなります。 そして、生理の1週間前から2~3日前になると症状が顕著になり、生理が始まるとウソのように症状がなくなっていきます。
PMSの原因にはさまざまな説がありますが、ホルモンの急激な変化やストレスなどがあげられています。
また、PMSは生理のある女性の80%が経験していると言われていますが、症状や程度は人によってさまざま。 実に、PMSの症状は、200種類以上もあるのです。
具体的にはどのような症状があるのか、「体」と「心」に分けて見ていきましょう。
PMSの体の症状
- ・頭痛
- ・頭が重い
- ・腹痛
- ・下腹部がはる
- ・乳房がはる
- ・便秘
- ・下痢
- ・むくみ
- ・おりものが増える
- ・だるい
- ・肩こり
- ・背中が痛い
- ・腰痛
- ・眠い
- ・不眠
- ・ほてり
- ・めまい
- ・立ちくらみ
- ・手足の冷え
- ・食欲低下
- ・体重が増える
- ・のどが渇く
- ・吐き気
- ・しびれ
- ・耳鳴り
- ・肌荒れ、にきび
- ・化粧ののりが悪い
これらの症状は、複数同時にあらわれることもあります。また、症状は毎月同じではなく、体調などによっても変化します。
PMSの心の症状
PMSの心の症状には、下記のようなものがあります。
- ・イライラ
- ・無気力
- ・ボーっとする
- ・落ち込む
- ・憂鬱
- ・攻撃的になる
- ・落ち着きがなくなる
- ・感情がコントロールできない
- ・楽しくない
- ・集中力がなくなる
- ・性欲が高まる
- ・性欲が低下する
- ・自信がなくなる
- ・不安になる
- ・弱気になる
- ・悲しくなる
- ・涙もろくなる
このような症状のせいで、会社や学校に行けなくなって家に引きこもったり、仕事や勉強などが手につかなくなったりすることもあります。
PMS体験者の声
インターネット上にも、PMSに悩まされる女性のさまざまな声があがっています。その一部を紹介します。
- ・生きている意味がわからないくらい、無気力になる。
- ・ものすごくしんどくて、訳が分からなくなる。
- ・生理なんてもういらない。
- ・何もやる気がでなくて、自分にうんざりする。
- ・自分の存在を否定したくなる。
- ・夫の行動のすべてが気に入らなくなる。
- ・言うことを聞かない子どもに、手をあげてしまうことがある。
PMSのせいで、いつもなら受け入れられることでも頭にきてしまい、怒ったり、泣いたり、そして自分自身にもイライラして、 自己嫌悪になって塞ぎこんでしまう…といった悪循環にはまってしまうこともあるのです。
なりやすい性格
PMSには多くの女性が悩まされていますが、なりやすい性格もあります。 怒りっぽかったり、几帳面や完璧主義といった性格の人は、比較的PMSの症状が出やすいと言われています。
PMSの症状を治療で改善
PMSの症状は、治療を受けて改善することもできます。 症状が多彩なので、不快な症状に対しての対処療法がまずあります。
痛みには鎮痛剤、むくみの解消には利尿作用のある薬などが処方されます。また、低用量ピルなどのホルモン療法も行われます。 低用量ピルを服用するとホルモンの急激な変動が抑えられるため、症状の緩和が期待できるのです。
PMSと症状の似ている病気がある
PMSと似た症状が出る、別の病気もあります。
・月経前不快気分障害(PMDD)
PMSのような精神症状があらわれますが、PMDDはさらに症状が重いのが特徴です。 精神状態が著しく悪化して、自分や恋人、家族を傷つけてしまったり、日常生活を送るのが困難な場合には、PMDDの疑いがあります。PMSと同様、生理が始まると症状は解消されます。
・うつ病
憂鬱、自信が持てない、無気力、涙もろいなどの症状が、生理前の時期以外にもあらわれている場合は、うつ病の疑いがあります。 うつ病は、自傷行為を引き起こすこともあるため、早めに精神科を受診するようにしてください。
・甲状腺の異常(バセドウ病・橋本病)
甲状腺は、のどぼとけの下側、気管の前にあります。 血液中にホルモン(甲状腺ホルモン)を分泌し、基礎代謝を高め、体温や脈拍を調整する働きがあります。
甲状腺ホルモンが過剰分泌された状態をバセドウ病と言い、初期症状としてイライラや疲れといった、PMSと似た症状があらわれます。
一方、ホルモンの分泌量が低下した状態を橋本病と言い、むくみや冷え、便秘、眠気、無気力など、こちらもPMSと似た症状があらわれます。
まとめ
このように、PMSには多彩な不快症状があります。 PMSによる症状であれば、生理が始まるとともに解消しますが、生理のたびに悩まされるのはつらいものです。
治療で症状を改善することもできるため、症状が気になる人は婦人科を受診するようにしてください。
また、PMSと思っていたら別の病気だったというケースも考えられます。 生理前の時期以外にもPMSのような症状がある場合には、我慢せずに受診することが大切です。
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出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]