偉人や有名人にも性病で苦しんだ人は大勢います。淋病でベートーベン、シューベルト(ともに作曲家)、ルイ14世(フランス王)、エイズでキース・ヘリング(画家)、フレディ・マーキュリー(クイーンのボーカル)などが亡くなっています。日本ではどうでしょうか。
荻野吟子(おぎのぎんこ)
性病に感染したことがある日本の偉人のひとりに、荻野吟子がいます。彼女は日本初の女医で、医師になるための勉学に励みつつも政府に対して「女医」の必要性を訴え続け、ついに女性としては日本で初めて医師免許を獲得したのです。
そんな荻野吟子ですが、実は夫は放蕩者(酒や女遊びが盛んな人)で有名でした。彼女は16歳のときに夫のもとへ嫁ぎます。しかし、夫は妻がいるにも関わらず、遊郭で遊びほうけていたそうです。その結果、夫が淋病に感染し、妻である彼女も夫からうつされ、淋病になってしまったというわけです。
ちなみにこの荻野吟子、淋病に感染していることが分かった途端、夫に家を追い出されてしまいます。そして、家を追い出された彼女は、病気の治療のため、屈辱的な思いをしながらも男性医師の診察を受けることになります。
実はこの出来事こそが、荻野吟子が「女性医師の必要性」を考えるきっかけになったのです。性病に感染ことは本当に気の毒なことですが、彼女にとってはターニングポイントになったというわけですね。
加藤清正(かとうきよまさ)
性病に感染した日本の偉人の中には、加藤清正もいます。歴史好きの女性なら、当然知っている名前ですよね。加藤清正は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した戦国武将のひとり。日本各地で転戦を重ねて、武功を上げた加藤清正ですが、実はその体は、梅毒に侵されていました。
梅毒に感染した原因には、いくつかの説があります。現在のところ、朝鮮出兵に出た際に現地の女性から梅毒をうつされてしまったという説や、徳川家康の陰謀によって梅毒に感染した女が送り込まれ、その女と関係を持ったことによって梅毒に感染してしまった…という説が有力です。
現代でも人気が高く「伝説の戦国武将」と言っても過言ではない加藤清正。実は梅毒に感染していたとは、何とも不思議な感じですね。
結城秀康(ゆうきひでやす)
結城秀康も性病に感染していました。
といっても、「結城秀康って誰?」という方も多いのでは。ヒントは「康」の字。「康」と言えば…徳川家康ですよね。
そう、結城秀康は徳川家康の二男。しかし、残念ながら彼は、家康の跡取りになることができず、ほかの家へ養子に出されてしまいます。結城秀康は、養子に出された先で次々と複数の女性に手を出します。
そしてその結果、梅毒に感染してしまったというわけです。
一説によると、結城康秀は梅毒によって鼻を失ってしまい、木で義鼻を制作して装着していたとも言われています。この付け鼻を見た徳川家康は、「情けない」と叱り飛ばしたそうです。
もちろん、今回紹介した人以外にも、淋病や梅毒といった性病に感染したと言われている偉人・有名人はたくさんいます。特に梅毒に関しては、ペニシリンが開発されるまで不治の病であったため、命を落としてしまった人も少なくなかったようです。


出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]
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