

女性にしか分からない辛さ、生理前に起こるPMS(月経前症候群)。
PMSの症状は頭痛や腰の痛みなど言葉で説明しやすい身体の不調と、伝えづらく分かってもらいにくい、だるさやイライラなどの心の不調があります。
同じ女性であっても、症状が軽い方、重い方と様々ですし、同じ方でもその月によって症状は異なる場合も。
男性に”分かって”もらえるのであればそれが1番ですが、やはり体験してみないと分からないもの。
ですから世の男性たちには、せめて”理解”してほしいと思いますよね。
今回は、女性のカラダとココロをサポートする、大人女子のかかりつけアプリ「カラダのキモチ」の利用者を対象に、月経前症候群(PMS)に関するアンケート調査を基にPMSついて考えていきましょう。
若い世代の方がPMSが重い!?
Q.生理前に不調を感じますか?
生理前に不調があるか聞いたところ、「毎回感じる」、「時々感じる」を合わせると、全体で97%もの人が、生理前に何らかの不調を感じているという結果になりました。
「カラダのキモチ」利用者の大部分が、PMSに悩まされているということが分かりますね。
生理前に「毎回不調を感じる」と回答した人を年代別に見てみると、20代では70%、30代では64%、40代では55%と、若い年代ほど毎回不調を感じる人が多くみられました。
年々軽くなるというよりは、自分のPMS症状との上手な付き合い方が分かっていくと言えるかもしれません。
自分自身の身体の声をよく聞き、大切にしてあげることで、多少はPMS不調も軽減されるのかも!?
PMSの具体的な症状
Q.どんな不調がありますか?
(※生理前の不調を「毎回感じる」、「時々感じる」と答えた人のみ回答)
PMSによって、本当に様々な不調が起こることが上のグラフでよく分かりますね。
具体的な症状を細かく見てみると、「イライラ」と回答した人の割合が78%と最も多く、2位「眠気」(64%)と差がみられました。以降は3位「だるさ」、4位「食欲・体重増加」、5位「落ち込み」と続いています。
それ以外にも、腰痛や便秘、むくみ、ニキビ、肩こりなどがあり、複数の症状が現れているケースも多く、症状は多岐にわたり、心にも身体にも大きな負担が。
PMSでイライラするというよりは「なぜかイライラしている気がする=あ、PMSかな」といった場合も多いかと思います。
“なぜ”イライラしているのかという理由に関しては「PMSだから」としか答えようがない気がしてしまいますよね…。
PMSによる不調が職場や家族にも影響
Q.生理前の不調が原因で、身近な人に不機嫌な態度を取ったことはありますか?
(※生理前の不調を「毎回感じる」、「時々感じる」と答えた人のみ回答)
「よくある」、「時々ある」を合わせると、PMSが原因で身近な人に不機嫌な態度を取った経験がある人は、84%にものぼりました。
PMSが原因で身近な人に不機嫌な態度を取った経験がある方の、具体的なエピソードをいくつかご紹介します。
・母親や妹など、特に同性の家族にキツく当たってしまい自己嫌悪に陥る。(30代)
・掃除、洗濯、食事の準備など、家事を全くやる気にならない。(30代)
・仕事の能率が下がる。やる気や体力がでないので休む時間が多くなる。(30代)
・体調がひどくなって、会社を休んでしまう。(30代)
・仕事で普段だったら気にせず済ませられる些細なことも気になり、相手の気持ちを考えずにきつくあたってしまう。(20代)
普段よりも敏感になっている時期。
だからこそ日常のちょっとしたことでも”イラッ”ときてしまうんですよね。
決してだらけているつもりがなくとも、身体がいうことをきかないというのも“PMSあるある”なのではないでしょうか。
PMSはSNS上にも表れる!?
「カラダのキモチ」利用者の約半数が、PMSが原因でSNS上(LINE・Facebookなど)で自分らしくない書き込み等をした経験があると回答しました。
(※生理前の不調を「毎回感じる」、「時々感じる」と答え、かつSNS(LINE・Facebook・Twitter・Instagram・mixi)を利用している人のみ回答、 複数回答可。「自分らしくない書き込みや行動はしたことがない」と回答した人を「ない」、それ以外の「書き込みや行動の具体的な経験」を回答した人を「ある」と定義。)
PMSによるイライラや気分の落ち込みが、SNS上での書き込みや行動に表れてしまう経験がある人が多いことが分かります。
具体的な行動としては、SNSを「見ない・読まない」という回答が最も多い結果に。
SNSを使う気にならない、またはネガティブな投稿をしないように、SNSから距離を置いて対処しているのかもしれません。
のちに自己嫌悪に陥らないためにも、それが得策ですね。
宋 美玄先生からのアドバイス
Grappsでもコラムを執筆してくださっている、産婦人科医で性科学者の宋 美玄先生がPMSに対してのアドバイスをくださったのでご紹介します。
【宋 美玄先生】
PMSは最近になって、ようやく認知が広まってきました。
女性は生理前に女性ホルモンの影響で不調が出やすく、悩んでいる方が本当に多くいらっしゃいます。
ですが、我慢してしまったり、市販薬を服用したりして、婦人科を受診する人はまだまだ少ないです。
まずは自分がどんな症状が出やすいのか、症状の出る時期を把握してみましょう。
症状の種類や時期が分かっているだけでも、心の準備・対処ができるようになります。
PMSの不調は改善できる場合もたくさんありますので、我慢せずに気軽に婦人科を受診してみてください。
産後にホルモンバランスの変化で起こる「産後クライシス」のように、PMSでも似たような人間関係の危機が生じることを「PMSソーシャルクライシス」というのですが、自分では我慢しているつもりでも、SNSで知らず知らずに「PMSソーシャルクライシス」になっているかもしれません。
メンタルが安定すると、自分のためだけでなく、家族や周りの方のためにもなりますよ。
男性のみなさんには、女性がホルモンバランスによる体調不良を毎月抱えながら生活していることを知ったうえで、接していただきたいですね。
「月経前症候群(PMS)に関するアンケート概要」
・調査主体 : ドコモ・ヘルスケア
・調査期間 : 2016年10月31日(月)~11月14日(月)
・分析対象 : 「カラダのキモチ」アプリを利用している20~40代の女性
・調査方法 : ウェブでのアンケートを実施し、回答結果を分析
・有効回答数: 3,274人