彼の精液を飲んだ経験はありますか?「彼が喜ぶ」という理由で精液を飲む女性もいますが、精液を飲むことにメリットやデメリットはあるのでしょうか。この記事では、「精液」や「精液を飲む」という行為について、気になる点をわかりやすく解説します。
<目次>
1. そもそも精液ってなに?
「精液を飲む」という経験をしたことがある人もない人も、まずは精液について理解しておきましょう。
わかっているつもりでも、「白くて臭くてネバネバしていて、精子がたくさん入っている液体」という程度の人がほとんどではないでしょうか。
精液についてしっかり勉強する機会なんてないですよね。せっかくなので、この機会にぜひ知ってください。
・精子はわずか1%
まずは、「精液の中身」について簡単に説明します。
ドロっとしていて特有の臭いがする精液の中身は、全体の約1%が精子で、 残り99%は、精子の運動や栄養に必要な「たんぱく質」や、「アミノ酸」「クエン酸」「亜鉛」「果糖」などです。 基本的には、ばい菌や体に害のある物質は存在しない、清潔で無害な液体です。
「精液」のことをストレートに「精子」と言ったりもしますが、精子の割合はわずか1%しかないのです。
・射精1回で1億以上の精子を放出
割合は1%ですが、精液に含まれる「精子の数」は非常に多いです。1回の射精で出る精液量はだいたい2~5ml。 この中に、約1億2000万~5億匹の精子が含まれているのです。
「1回の射精で、日本の人口以上の精子が放出される…」といっても、数が大きすぎてピンとこないですよね。 ちなみに、倍率400倍程度の顕微鏡で精液を見てみると、精子が泳いでいる様子を確認することができます。
2. 女性が精液を飲む理由
では、そもそもどうして「精液を飲む」という行為をするのでしょうか。 その理由には下記のようなものがありました。
・彼がよろこんでくれるから
・彼が飲むことを求めるから
・飲まないと彼が不機嫌になるから
・飲むのが当たり前だと思っていたから
・AVで飲んでいたから
・美容にいいと思ったから
精液の味に対しては、「苦い」「まずい」といった声がほとんどです。 そういったことを考慮すると、精液を飲むという行為は、彼のために我慢してやっているという女性が多いと考えられます。
3. 精液を飲むときれいになる?
精液を飲む理由には「彼のため」以外では、「美容にいいと思ったから」というのがありました。 また、似たような意見で、「精液を飲むときれいになる」「肌の調子がよくなる」「元気になる」といったものがあります。 本当なのでしょうか。
・精液に美容効果はない
実は、これらはすべて迷信です。
確かに精液には、アミノ酸やたんぱく質などの成分が含まれています。 しかし、1回に放出する精液の量はとても微量です。
大量に飲めばそれなりに美容効果が期待できるのかもしれませんが、現実的には食事などで摂取する量と比べると圧倒的に少ないです。
そのため、精液を飲んだからと言って、「肌がきれいになる」「元気になる」といった効果は期待できません。 「精液を顔に塗る」といった、飲む以外の行為も同様に迷信です。
・心が満たされてキレイになることはある
ただし、「精液を飲む」といった行為を含めて、好きな相手とセックスをして快感や幸福感が得られれば、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が活発になります。
エストロゲンには、肌の水分量を整えたり、コラーゲンの生成を促進する働きがあります。 そのため、「精液の成分」ではなく「性行為によって肌がきれいになる」ということは、間違いではありません。
4. 精液は飲んでも大丈夫?
続いて、精液を飲むことにリスクがあるかどうか解説します。
・性病に感染することがある
先ほども書きましたが、精液は無害な液体です。ただし、それは健康な人の精液です。 相手が性病に感染している場合、精液を飲むことで性病をうつされるリスクがあります。
性病の原因となる病原菌は、主に「精液」「膣分泌液」「血液」の3つの中に潜んでいます。 つまり、性病の人の精液の中には、その病原菌が存在するというわけです。
そのため、精液を飲むことで、自分の口の中や喉の粘膜に病原菌がうつってしまうことがあるのです。
感染のリスクがある性病は、「HIV」「クラミジア」「淋病」「ヘルペス」などです。
・傷口があるとさらに危険
また、口の中に傷口があると、そこから細菌やウイルスなどが侵入しやすくなります。
虫歯や口内炎、歯磨きによる傷などがあれば性病感染のリスクはさらに高くなるため、口の中に傷があるときは、特に注意が必要です。
5. オーラルセックスだけなら安心?
では、オーラルセックスをしても精液を飲まなければ問題はないのでしょうか?
・オーラルセックスでも性病に感染する
残念ながら、オーラルセックスだけでも性病に感染するリスクはあります。
クラミジアなどの病原菌は、感染者の精液に含まれていますが、射精前に出る透明なカウパー液(我慢汁とも言います)にも、病原菌が含まれていることがあります。 そのため、たとえ精液を飲まなくても、オーラルセックスによってカウパー液が口の中に入ることで、クラミジアや淋病、HIVなどに感染してしまうことがあるのです。
・クラミジア感染が問題に
特にクラミジアは、若い女性の間で感染が問題になっています。 2015年は合計12,780人の女性が性器クラミジア感染症にかかりましたが、20~24歳がそのうちの6,377人と約半数を占めています。
そして、性器クラミジア感染症の女性は、10~20%の割合で喉にもクラミジアが感染しているという報告があります。 喉に感染しても症状がまったく出ないことが多いため、感染に気づかずに相手にうつしてしまい、感染をさらに拡大してしまうという悪循環を招いているのです。
オーラルセックスと性病についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
6. 最後に
基本的に精液は無害な液体のため、飲んでも体に害はありません。 ただし、相手が性病に感染していた場合、性病感染のリスクがあります。 オーラルセックスも同様です。
自分自身の体を守るためにも、これらの情報はきちんと知っておいてください。


出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]