

彼氏の性器に、白いブツブツのようなものはありませんか。性器周辺にできる白いブツブツは、フォアダイスと言います。フォアダイスとは一体何ものなのか。この記事では、フォアダイスの「原因」や「症状」、さらに「似ている病気」について解説します。
<目次>
フォアダイスとは?
フォアダイスには3種類ある
彼の性器に白いブツブツがあったら、それはフォアダイスかもしれません。聞き慣れない名前で、不安になりますよね。
一般的にフォアダイスとは、「フォアダイス」「真珠様陰茎小丘疹 」 「包皮腺(タイソン腺)」という3つの症状をまとめた呼び名のことです。それぞれについて解説します。
(1) フォアダイス
フォアダイスとは、男性器の陰茎部分にできる白いブツブツのことです。 皮膚の表面には脂腺 という組織があり、通常は体毛1本ごとに存在し、毛穴から皮脂を分泌しています。
しかし、体毛がない場所にも、脂腺があらわれることがあるのです。 当然そこには体毛がない(毛穴がない)ため、皮脂を分泌しても外に排出することができません。 その結果、皮脂が溜まって皮膚の下で白っぽい塊となり、透けて見えるようになるのです。これが、フォアダイスの正体です。
この症状に対して、「もしかして性病…」と不安に思う女性もいますが、フォアダイスは性病ではありません。 ニキビのようなもので、成人男性の性器の約70%に見られます。
もちろん、治療の必要はなく、相手にうつすこともありません。痛みやかゆみなどの症状もありません。
(2) 真珠様陰茎小丘疹
真珠様陰茎小丘疹とは、男性器の亀頭部分のカリ首にできる白いブツブツのことです。 カリ首の周囲を、大きさの揃った小さな脂肪の塊が多数並びます。
包茎の人に多く見られるため、亀頭部分を不衛生にしておくと発症するとも考えられています。 この症状は、成人男性の性器の約20%に見られます。
フォアダイスと同様に、性病でもなければ、相手にうつすこともなく、痛みやかゆみなどもありません。
(3) 包皮腺(タイソン腺)
包皮腺とは、男性器の裏すじ(亀頭と包皮をつなぐ部分)の左右にできるブツブツのことです。 タイソン腺とも呼ばれています。
このブツブツの正体は皮脂腺で、ここから恥垢 というアカを分泌しています。 そのため、特に包茎の人は恥垢が溜まりやすく、臭いの元になることがあります。
包皮腺もフォアダイスと同様に、性病でもなければ、相手にうつすこともなく、痛みやかゆみなどもありません。
このようにフォアダイスは、厳密には「フォアダイス」「真珠様陰茎小丘疹」「包皮腺(タイソン腺)」の3つに分けられます。 共通して言えることは、性病ではない、相手にうつさない、痛みやかゆみなどもないということです。
つまりフォアダイスは、放置してもまったく問題のない生理現象のひとつというわけです。
女性器にもできる?
(1) 女性器にできることもある
男性器にできるイメージの強いフォアダイスですが、実は、女性器にもできることがあります。 女性では、小陰唇 と呼ばれる、女性器の割れ目に沿った部分にできることが多いです。
もちろん、男性からうつされたわけではなく、生理現象のひとつです。 性病でもなければ、相手にうつすこともありません。
(2) 唇にできることもある
また、フォアダイスは性器以外にも、唇や頬の内側の粘膜にできる場合もあります。 唇にフォアダイスができる理由には、「ビタミン不足や血流の悪化が長い間継続するため」という説があります。
フォアダイスと似ている病気
症状が似ている「病気」がある
フォアダイスは病気ではないため、放置していても問題ありません。 しかし、フォアダイスとよく似た症状があらわれる病気もあります。 その代表が、尖圭 コンジローマです。
(1) 尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマとは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染することで発症する病気です。 ウイルスには主に性行為によって感染し、性器や肛門周辺にブツブツとしたイボがあらわれるようになります。
軽い痛みやかゆみが出る場合もありますが、ほとんど自覚症状はありません。 フォアダイスと違って相手にうつすこともあり、妊婦さんが発症すると母子感染の恐れもあります。
フォアダイスと尖圭コンジローマには、下記のような症状の違いがあります。
<フォアダイスの特徴>
・イボは小さく、すべて同じような大きさ
・痛みやかゆみはない
<尖圭コンジローマの特徴>
・イボの大きさはバラバラ
・カリフラワーやニワトリのトサカのような形をしている
・イボは徐々に大きくなり数も増える
・痛みやかゆみが出る場合もある
<見分けるのは困難>
これらの情報だけで両者を見分けるのは困難です。 万が一、尖圭コンジローマだった場合、相手にうつしたり、進行すると治療が難しくなることがあります。
そのため、気になる症状がある場合は、すぐに病院(男性なら泌尿器科、女性なら婦人科)を受診するようにしてください。 念のために、性行為も控えてください。
フォアダイスと似ている病気では、この尖圭コンジローマが第一にあげられますが、他にもいくつか似た症状があらわれる病気があります。
(2) 性器ヘルペス
性器ヘルペスとは、性器や肛門周囲などに、小さな水ぶくれができる病気です。主に性行為で感染します。
発症すると、最初は患部がヒリヒリしたり、むずかゆさを感じるようになります。 その後、2~10日で、1~2mm程度のかゆみを伴った赤いブツブツや水ぶくれができます。 強い痛みを感じたり、発熱することもあります。
性器ヘルペスは、抗ウイルス剤を使って治療することができます。 気になる症状があらわれたら、皮膚科や泌尿器科を受診するようにしてください。
(3) 毛嚢炎疹
毛嚢炎とは、小さく赤いブツブツがあらわれる皮膚の病気です。 陰毛部分にブツブツができている場合、この病気の可能性があります。
毛嚢炎は、ブドウ球菌という普段から皮膚にいる菌(常在菌)が引き起こします。 ムダ毛処理をして傷ついた毛穴から菌が侵入したり、汗を拭かずに不衛生なまましたせいで菌が繁殖したりして、症状があらわれることがあります。
初期には自覚症状はありませんが、悪化するとかゆみや痛みが出てくることがあります。 自然に治ることも多いため、ブツブツの数が少なければ治療の必要はありません。 ただし、ブツブツの数が多かったり、痛みやかゆみが強い場合は、皮膚科を受診するようにしてください。
最後に
男性器にできる白いブツブツは、フォアダイスの可能性があります。 フォアダイスは病気でもなく、相手にうつすこともないため、放置してもまったく問題はありません。
ただし、尖圭コンジローマのような症状が似ている病気もあるため、ブツブツが増えたり、大きくなったり、 痛みやかゆみなどがある場合は、すぐに病院に行くようにしてください。


出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]