
1.尖圭コンジローマについて
男性器にイボやブツブツができる原因には、まず「尖圭コンジローマ」が考えられます。
・主に性行為で感染する性感染症
尖圭コンジローマとは、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスに感染することで発症する性感染症です。
主に性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)で感染し、粘膜や皮膚の目に見えないような傷口からウイルスが侵入します。 ウイルス感染から3週~8カ月(平均2.8カ月)ほど過ぎると、「亀頭」「カリ首」「包皮」「肛門周辺」などに、うすいピンク色や茶色のイボができてきます。
・イボは大きくなり数も増える
尖圭コンジローマのイボは、初期のころは小さいですが、進行するにつれて徐々に大きくなり数も増えて、 「ニワトリのトサカ」や「カリフラワー」のような特徴的な形になっていきます。
また、かゆみや痛みなどの自覚症状はほとんどありませんが、性交時に痛んだり、出血したりすることもあります。
・治療を受ける必要がある
尖圭コンジローマは自然治癒することもありますが、治療を受けないでいるとイボが増殖して、治療が困難になってしまうことがあります。 また、性行為で相手にうつすリスクもあります。
そのため、男性器に尖圭コンジローマを疑うイボやブツブツがあった場合は、すぐに泌尿器や性病科を受診するようにしてください。
2.フォアダイスについて
男性器にイボやブツブツができる原因には、「フォアダイス」も考えられます。
・フォアダイスは病気ではない
フォアダイスとは、男性器の陰茎部分にできる白いブツブツのことです(女性器にもできます)。 皮膚の表面には、体毛1本ごとに脂腺 という組織があり、毛穴から皮脂を分泌しています。
しかし、体毛がない場所にも、脂腺があらわれることがあります。 当然そこには体毛がない(毛穴がない)ため、皮脂を分泌しても外に排出することができません。 その結果、皮脂が溜まって皮膚の下で白っぽい塊となり、透けて見えるようになるのです。 これが、フォアダイスの正体です。
・治療を受ける必要はない
フォアダイスは、性病(病気)ではありません。 ニキビのようなもので、成人男性の性器の約70%に見られる生理現象です。 包茎の人にできやすいという特徴もあります。
フォアダイスは病気ではないため、治療の必要はなく相手にうつすこともありません。 痛みやかゆみなどの症状もありません。
ただし、自然になくなることがないため、見た目が気になる場合は手術で除去することもできます。
3.見分け方について

このように男性器にイボやブツブツができる原因には、「尖圭コンジローマ」のように病気が原因になっている場合と、「フォアダイス」のように病気ではない場合があります。 両者の見分け方として、それぞれの症状の特徴をまとめました。
・尖圭コンジローマの特徴

・1~3mmの先のとがった硬いイボができる
・白、ピンク、茶褐色、黒など色はさまざま
・イボは不揃い
・イボは大きく成長し数も増える
・成長するとカリフラワーやニワトリのトサカのようになる
・痛みやかゆみはない
・イボは傷つきしやすく出血することもある
・フォアダイスの特徴

・イボは小さく、すべて同じような大きさ
・カリ首を囲むようにできることが多い
・痛みやかゆみはない
・包茎の人にできやすい
・初期に見分けるのは困難
尖圭コンジローマは、イボが「カリフラワー」や「ニワトリのトサカ」のような特徴的な形になりますが、それはある程度進行してからです。 初期のうちは小さなイボが少しあらわれる程度なので、この時点でフォアダイスと見分けるのは困難です。
「イボも小さいし性病とは違うはず」と思い込んで、後になって「イボが増えてきた…もしかしてコンジローマ…」となってしまったら大変です。 彼氏が尖圭コンジローマなら、性行為でうつされるリスクがあります。女性が妊娠中にうつされると、赤ちゃんに影響を与えてしまうこともあります。
そのため少しでも不安がある場合は、彼氏に検査を受けてもらうことをおすすめします。 検査を受けない場合でも、こまめにイボの状態を確認するようにしてください。
4.最後に
男性器にできるイボやブツブツには、病気の場合とそうでない場合の両方があります。 あきらかに尖圭コンジローマのような症状の場合は、すぐに泌尿器科や性病科を受診して治療を受けるようにしてください。
病気かどうかわからない場合も、イボやブツブツが増えたり大きくなったりしていないか確認し、 少しでも不安に思うことがあれば医師に診てもらうようにしてください。 また、病気の疑いがある場合は、性行為は控えるようにしてください。