子宮頸がんについて考える時、やはり一番心配なのは「ちゃんと完治するのか」ということですよね。子宮頸がんの治療法やその予後についてはそのステージによって変わってきますので、ステージ別の治療法や5年生存率について、詳しくチェックしてみましょう。
<目次>
子宮頸がんのステージ分類をチェック!
子宮頸がんは、腫瘍の状態や病気の進行具合によって4つのステージに分類されます。
・ステージI
ステージIの子宮頸がんは、 「がんが子宮頸部に限局されていて、他の部位には広がっていない」 という段階のものを意味します。
そして第1期の子宮頸がんはその状態によってさらに、以下のように分けられます。
<IA期>
組織学的にはガンと診断できるものの、肉眼では病変を確認することができない。 ※IA期はさらに、浸潤の深さ5ミリ以内で縦方向に7ミリ以上広がっていないものを「IA1」、浸潤の深さが3~5ミリ以内で7ミリ以上広がっていないものを「IA2」と分類されます。
<IB期>
臨床的に病変を確認することができる、あるいはそれができなくてもIA期の範囲を超える浸潤がみられる。 ※IB期はさらに、病変が4センチ以内である「IB1」と病変が4センチ以上である「IB2」とに分類されます。
・ステージII
ステージIIの子宮頸がんは、「子宮頸部以外にもがんが広がっているものの、骨盤壁あるいは膣壁の下1/3には達していない」 状態のものを意味します。
そしてステージIIの子宮頸がんは、さらに以下のように分類されます。
<IIA期>
がんが膣壁にまで及んでいるものの、子宮頸部周辺の組織には広がっていない。 ※IIA期はさらに、病変が4センチ以内にとどまっている「IIA1」と4センチ以上ある「IIA2」とに分類されます。
<IIB期>
がんが子宮頸部周辺の組織にまで広がっているものの、骨盤壁にまでは達していない。
・ステージIII
ステージIIIの子宮頸がんは、 「ステージIIよりもさらにがんが進行している」 状態のことをいいます。
そしてステージIIの子宮頸がんは、さらに以下のように分類されます。
<IIA期>
がんが膣壁の下1/3に達しており子宮頸部周辺組織にも広がってはいるが、骨盤壁には達していない。
<IIB期>
がんが骨盤壁にまで達している、あるいは、がんによって尿管(腎臓と膀胱をつなぐ組織)が圧迫され、水腎症をはじめとする腎機能障害がでている。
・ステージV
がんがさらに進行しているステージVの子宮頸がんは、以下の2つに分類されます。
<VA期>
がんが、直腸の粘膜や膀胱に広がっている。
<VB期>
がんが小骨盤腔を超えて広がり、転移している。
ステージ別の治療法についてチェック!
子宮頸がんの治療法はそのステージによって異なり、どのような治療ができるのかによって完治するかどうかも変わってきます。 そこで次は、子宮頸がんの治療法について、ステージ別に見ていきましょう。
・IA1期
全ステージの中で最も初期段階にあり深い部分まで浸潤していないIA1期の子宮頸がんに対しては、円錐切除術を行うことができます。 そしてこの治療法を選択する場合、子宮を温存することも可能です。 またいわゆる前がん状態(0期)である「高度異形成」に対しても、円錐切除術が行われることがあります。
・IA2期・IB期・II期
この段階の子宮頸がんに対しては、
・単純子宮全摘出手術
・準広汎子宮全摘出術
といった術式による手術療法を行ったうえで再発リスクを確認し、その状態に合わせて同時化学放射線療法(化学療法+放射線)や単独放射線療法による治療が行われます。
・IIA期・IIB期・IVA期
子宮頸がんは、ステージ3以上になると手術療法が難しくなります。 そのためこの段階の子宮頸がんに対しては、同時化学放射線療法や単独放射線療法による治療が行われます。
・IVB期
この段階になると積極的な治療が難しいため、対症療法や緩和ケア、延命を目的とした化学療法が行われます。
子宮頸がんはちゃんと完治するの!?
ここまで子宮頸がんのステージ分類やそのステージごとの治療法について見てきましたが、この病気の5年生存率は、がんがどのようなステージにあるのか、どのような治療ができるのかということによって変わってきます。 5年を経過しても再発しない場合は、子宮頸がんは完治したと考えられています。
子宮頸がんの5年生存率
・ステージI…90.4%
・ステージII…70.1%
・ステージIII…49.4%
・ステージV…20.9%
こうして見てみると、いかに早期発見・早期治療が重要であるかがよくわかりますよね。 子宮頸がんは早い段階で発見・治療することができれば完治させることも十分可能ですし、子宮を温存できれば妊娠も期待することができます。
まとめ
子宮頸がんは、早い段階で発見・治療をすることによって完治させることができる病気です。 病気の発見には子宮頸がん検診が大変有効ですので、定期的な受診を心がけましょう。


出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]