彼の性器にイボやブツブツがある場合、尖圭コンジローマかもしれません。そして、その彼にオーラルセックスをすると、口の中に感染する可能性があります。この記事では、口の中の尖圭コンジローマについて、症状や口内炎との違いなどを解説します。
<目次>
1. 尖圭コンジローマとは
まずは、「尖圭コンジローマ」について簡単に説明します。
・主に性行為で感染する
尖圭コンジローマは、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスが引き起こす性感染症です。 このウイルスには、主に性行為で感染し、粘膜や皮膚の目に見えないような傷口からウイルスが侵入します。
・症状は特徴的なイボ
尖圭コンジローマを発症すると、主に女性は「大陰唇」「小陰唇」「膣」「子宮頸部」「会陰部」などに、 男性は「亀頭」「カリ首」「包皮」などに、うすいピンク色や茶色のイボができます。 また、「肛門内」「肛門周辺」「直腸内」にイボができることもあります。
・イボは大きくなり数も増える
尖圭コンジローマでできるイボの大きさは、直径1~4mm、高さ2~15mm程度です。 イボは次第に大きくなり、数も増えて、「カリフラワー」や「ニワトリのトサカ」のように見えることがあります。
イボができても、痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありませんが、性交時に痛んだり、出血することもあります。
・イボは感染3週~8カ月後にあらわれる
尖圭コンジローマの症状があらわれるのは、感染してすぐではなく、3週~8カ月ほど過ぎてからです(平均2.8カ月)。 そのため、いつの性行為でウイルスに感染したのかを特定できないケースが多くあります。
2. 口には感染する?
・尖圭コンジローマは口にも感染する
上でも書きましたが、尖圭コンジローマのウイルスは、粘膜や皮膚の見えないような傷口から感染します。 当然、口の中にも粘膜があるため、感染者の性器にオーラルセックスをすると、ウイルスに感染してしまうことがあります。 口の中に傷口があると感染のリスクは、さらに高まります。
・口の中にイボができる
口の中に感染した場合も、性器や肛門などと同じような症状があらわれます。 まずは小さなイボがあらわれ、徐々に大きくなり数も増えて、「カリフラワー」や「ニワトリのトサカ」のような形に成長していきます。 痛みやかゆみなどの自覚症状はありません。
また、これらのイボは、「唇」や「喉」にもあらわれることがあります。 そのため、唇に症状がある人とキスをすると、キスだけでもうつるリスクがあります。
・口腔外科を受診する
口の中に尖圭コンジローマによるイボができた場合は、治療を受けなければ治りません。 放置して症状を悪化させると、治るまでの時間も長くなってしまいます。 相手にうつすリスクもあります。
口の中のイボが大きくなったり、数が増えたりしている場合は、尖圭コンジローマの疑いが強いため、なるべく早く「口腔外科」を受診するようにしてください。
3. 口内炎との違い
尖圭コンジローマが、口にも感染することはわかりましたね。 ただし、多くの人は口の中にイボやブツブツができると、まずは「口内炎」を疑うと思います。
実際、尖圭コンジローマと口内炎の症状は、見た目が似ている場合があります。 それでは、両者の違いを見ていきましょう。
・口内炎には痛みがある
尖圭コンジローマと口内炎の大きな違いは、痛みがあるかどうかです。 口内炎の多くは痛みを伴い、尖圭コンジローマでは痛みが出ないことが多いため、痛みがある場合は口内炎の疑いが強くなります。
・口内炎は自然に治ることがある
口内炎は自然にも治りますが、口の中に尖圭コンジローマができた場合は、治療を受けなければ治りません。 放置していて、イボが増えたり大きくなるような場合は、尖圭コンジローマの疑いが強いです。 このような場合は、口腔外科を受診するようにしください。
4. 最後に
尖圭コンジローマは、オーラルセックスによって口の中に感染することがあります。 尖圭コンジローマの症状は、特徴的なイボです。 そのため、彼の性器に尖圭コンジローマを疑う症状がある場合は、オーラルセックスはもちろん、性行為は控えるようにしてください。
口の中や唇などに気になる症状があらわれたら、キスやオーラルセックスで相手にうつすリスクもあるため、口腔外科を受診するようにしてください。


出典:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]