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2019年01月18日更新

不妊治療と時代の風潮について【ひとみしょうの余談ですみません】

不妊治療画像1

不妊専門相談センターという公的機関があるそうです。不妊に悩む方たちが無料で利用できる自治体の相談窓口で、<平成8年度以降、全国に設置されている>そうです。おそらく20年ほど前に、不妊治療を望む人が増えてゆく現状を国が憂慮した結果、設置されだしたのでしょう。

 

20年ほど前といえば、時はバブルが弾けた後です。が、キャリアウーマンという言葉は廃れることなく、キャリアに憧れる女性がたくさんいた時代でした。だって、山一證券がつぶれてもなお「やっぱ大企業で安定したサラリーをもらいつつキャリアを目指したいよね」と言っていた就活生(女子)って、いっぱいいたのだから。

 

という余談はさておき、簡単にいえば、今40歳くらいの人たちが、20歳くらいの頃「女は25歳までに結婚出産をしろなんて男女差別もいいところ。女も男並みにキャリアを追求すべし。だってそのほうがかっこいいじゃない」と思い、「働くことが当たり前」と思うにいたり、結果、気づけば不妊治療をするハメになった、という流れがあった、ということです。

多数派の雰囲気の結果の不妊治療、とも言える

不妊治療画像2

20年前のことを、僕はよく覚えています。

その当時付き合っていた彼女は「20歳そこそこで子どもを産むとか、そんなヤンキーみたいなことを言わないでよね」と、僕に言いました。なにかの弾みで、「子どもをつくりたい」みたいな話を、僕が彼女にしたのかもしれません(忘れた)。でもとにかく彼女は、ヤンキーや、20歳くらいで出産した人に、とっても失礼なことを言いました。

 

がしかし、その彼女が「特殊」だったわけではなく、当時は、冒頭に書いたように「女性もキャリアを求めるのが『かっこいい』」という風潮がかなり強くあったのです。

 

世論って、いつの時代もそうだけど、多数派の雰囲気で流れます。「女子=キャリアを目指す=かっこいい」という「多数派の雰囲気」の結果、20年経って不妊治療です。

 

時は流れ、キャリアウーマンを扱った「トレンディドラマ」がすたれ、男女平等が当たり前のように叫ばれるようになると、今度は「女子=キャリア=かっこいい」ではなく、「女子も働くのが当たり前」と言われるようになりましたよね。

国がGDP(国内総生産)や「国力(!)」なんかをヘンに気にした結果かなにか知りませんが、「女子も働くのが当たり前」という風潮も、いわば社会的なものになりました。その結果、不妊治療をする人が増えた。

国は国にとって不都合なことは決して言わない

こうやって見てみると、人が(女子に限らず人全般が)、いかに世論や社会の風潮に弱い生き物なのかがよくわかりますよね。「キャリアウーマン=かっこいい」という風潮に巻き込まれる前に「ちょっと待てよ、キャリアを目指すのはいいけど、子どもっていつつくればいいの?」と、立ち止まって考えていた人は、その当時少数だったように記憶しています。

 

「男女平等は平等であるべきだ」と言う人はわりに多いけれど、「女子にしかできないことがある。しかも時期限定でしかできないことがある」ということを言う人は少数ですよね。

 

誰だって、とくに若いうちは、世論に流されたり、かっこいいと思うほうに流されたりしがちでしょう。でも、世論とか国の考え方って、その時々で都合のいいことを言っているだけ――とも言えるんですよね。国は国にとって不都合なことは決して言わないしね。

ひとつの立派な生き方

不妊治療画像17

不妊治療を受けている女性が、職場などで差別的な扱いを受けているという事実から、この項は書かれました。差別する人は、「子どもができない=女性として劣っている身体だ」と考えているのだろうと思います。とんでもない話です。

 

世論や国が提唱することに素直に生き、日本経済を支える一員として頑張って働いているうちに、気づけば不妊治療をしなくてはならない年齢になっていた――不妊治療をしている人たちを、こう捉えたとき、治療者の心の痛みや後悔は、「自分のこと」に変わります。なぜなら誰だって、世論や「長いもの」に、ある程度は素直に従って暮らしていくしかないからです。

 

女性がキャリアを目指すのはかっこいい、男女平等は大切な考え方である――この考え方におおっぴらに反論する人は、おそらく少ないと思います。でも、「ホントにそうなのだろうか」と疑う気持ちも大切なんですよね。

偶然、子を授かった人だって、疑う気持ちなど持っていなかったことでしょう。でも、今20歳くらいの女子は違います。「はやく子どもを産んで結婚したい。そのほうが『安パイ』だから」と、しれっと言い、マイペースで暮らしています。GDP? 国力? そんなこと知らない、の世界に暮らしているように見えます。決して「愛国心」がないのではなく。

 

世論や国策に左右されない生き方を、不妊治療世代は、若い人に学ぶべきなのかもしれないですね。今から平均寿命まで、あと40年くらい。世論や国に騙されないぞ、という心構えで生きるのも、ひとつの立派な生き方であるはずです。

 

(ひとみしょう/作家)

 

※参考・引用 <不妊のこと、1 人で悩まないで 「不妊専門相談センター」の相談対応を中心とした取組に関する調査>(厚生労働省 政策統括官付政策評価官室 アフターサービス推進室)平成30年1月

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この記事を書いたライター

〜文筆家〜webに恋愛コラムを6000記事以上(ギネス級!)寄稿したweb恋愛コラムの第一人者。獲得PVもたぶんギネス級。コラムの受賞歴多数(小学館『Menjoy!』編集部より)。著書数冊(すべて電子書籍)。 FB Twitter
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