長い夫婦生活の中では、お互いに触れられたくない過去の一つや二つ、あるかもしれません。
しかし、もしその秘密が、予期せぬ形で現在の家庭に持ち込まれてしまったらどうしますか。
動揺や気まずさから対応を誤れば、今まで築き上げてきた信頼関係に、深い亀裂が生じてしまう恐れもあります。
大切なのは「そのとき」に、いかに冷静かつ誠実に向き合えるかです。
今回は、ある男性の体験談をもとに、夫婦の危機を乗り越えるためのヒントを探ります。
娘にスマホを貸した父親
小学生の娘が調べ物をしたいとき、私は自分のスマホを貸すことがあります。
ところが、どうやらそのときに、娘はこっそり私のLINEまでチェックしていたようなのです。
そしてある日、娘が“衝撃的な発見”をしてしまいました。
それは、10年前に私が仲良くしていたある女性とのLINEのやりとりでした。
二人で頻繁に飲みに行ったりしていた頃の記録が、トーク履歴にそのまま残っていたのです。
それを見つけた娘は「ついに浮気発見!」と家中に響き渡るような大声で騒ぎ始めました。
さらに、あろうことかそのLINEの画面をスクリーンショットし、なんと妻のスマホに勝手に送信してしまったのです。
これはもう、完全に言い逃れの余地がありません。
私自身、10年も前のことなどすっかり忘れていたので、まさか今になって娘に掘り起こされるとは夢にも思いませんでした。
幸い、不貞行為を直接匂わせるような決定的な内容までは残っていなかったため、妻から大きなお咎めはありませんでした。
とはいえ「今さらそんな昔の話、聞きたくもなかった」というかのように、妻の表情は明らかに不機嫌な様子です。
正直なところ、私はもう40歳を過ぎ、今さら浮気などする気力もありません。
妻も「家庭に悪影響さえ出なければ、ある程度は自由にしていい」というスタンスでいてくれています。
平和に保たれていたはずの家族関係に、娘の無邪気なイタズラによって思わぬ爆弾が投下され、ただただ冷や汗が止まりませんでした。
(43歳/男性)
最後に
思いがけない形で過去が暴かれ、家庭内に気まずい空気が流れる。
まさに血の気が引くような瞬間であり、どう対応すべきか途方に暮れてしまう気持ちは、痛いほど理解できます。
重要なのは、過去の事実そのものよりも、それが明らかになった「今」相手に対してどう振る舞うかです。
ここでまず実践すべきは、言い訳や逆ギレをせず、不安な気持ちにさせたことを誠実に謝罪することです。
次に、問われたことに対しては正直に説明し、その上で「今は家族が最も大切だ」という気持ちを、まっすぐに伝えてください。
言葉だけでなく行動で信頼を示し続けることが不可欠です。
これまで以上にコミュニケーションを大切にし、家族と向き合う時間を作るなど、具体的な行動を積み重ねることで、わだかまりは、少しずつ溶けていくはずです。
この予期せぬ危機は、お互いの大切さを再認識し、より強い信頼関係を築き直すためのきっかけとなり得るのです。
※Grapps編集部が独自に収集した実際の体験談をもとに記事化しています